パートの住民税はいくらから?非課税限度額から計算方法、扶養まで徹底解説


パート収入が増えて嬉しい反面、「来年の住民税は大丈夫?」と漠然とした不安を感じていませんか?所得税の「103万円の壁」は有名ですが、住民税の仕組みは意外と知られていません。
この記事を読めば、複雑な住民税の基本から非課税になる年収ライン、具体的な計算方法、そして賢い節税術まで、あなたの疑問がすべて解決します。税金の不安を解消し、手取りを最大化する働き方を実現するための知識を身につけましょう。
目次
1.住民税の基本を知ろう
1.1.住民税とは?所得税との違いも解説
住民税は、地方税法に基づき、その年の1月1日に住所のある自治体に納める地方税です。都道府県民税と市区町村民税を合わせたもので、前年の所得を基に税額が計算され、翌年に納付する「後払い」の仕組みになっています。
国に納める所得税が給与から毎月天引き(源泉徴収)されるのとは異なり、住民税は翌年6月以降に課税されるため、忘れた頃に納付書が届いて驚くケースも少なくありません。
1.2.住民税の種類「均等割」と「所得割」
住民税は、所得にかかわらず定額を負担する「均等割」と、前年の所得金額に応じて負担する「所得割」の2つで構成されています。
均等割の標準税率は、東日本大震災からの復興財源確保のために設けられていた臨時措置が終了し、2024年度からは森林環境税(国税)1,000円が加わり、合計5,000円が基本となります(自治体によって独自の税率が上乗せされる場合もあります)。一方、所得割の税率は原則として合計10%(市区町村民税6%、道府県民税4%)です。
2.パートの住民税はいくらからかかる?非課税限度額を理解する
2.1.住民税がかからない年収のボーダーライン
住民税には「均等割が非課税になるライン」と「所得割が非課税になるライン」があります。
扶養親族がいない場合、所得割は合計所得金額45万円以下(給与収入100万円以下)で非課税となります。均等割の非課税ラインは自治体によって異なりますが、多くの場合は合計所得金額38万円~45万円(給与収入93万円~100万円)が基準です。
例えば久留米市の早見表でも同様の水準が示されています(city.kurume.fukuoka.jp)。
2.2.所得税と住民税の非課税ラインの違い
所得税の配偶者控除などで広く知られる「103万円の壁」は、あくまで所得税が非課税になるラインです。住民税の場合、給与所得控除55万円と住民税の基礎控除43万円(合計98万円)を差し引いた金額を基に計算されるため、年収が約100万円を超えると課税対象になるのが一般的です。
今後の税制改正で所得税の各種控除が見直される可能性はありますが、住民税の非課税ラインがすぐに変わるわけではない点に注意が必要です。
2.3.扶養内で働く場合の住民税の注意点
配偶者や親の扶養内で働く場合、扶養から外れないように収入を調整すると同時に、自分自身の住民税についても考慮する必要があります。
扶養親族の人数によって非課税限度額は変わり、例えば扶養親族が1人いる場合、合計所得金額が101万円以下(給与収入に換算すると約156万円以下)であれば所得割が非課税になります。八戸市の例では、扶養親族がいる場合の非課税限度額が示されています(city.hachinohe.aomori.jp)。

3.住民税の計算方法と控除の種類
3.1.住民税の計算ステップを分かりやすく解説
- 給与収入から給与所得控除(最低55万円)を差し引き「給与所得」を算出します。
- 給与所得から各種所得控除(基礎控除43万円、社会保険料控除など)を差し引き「課税所得」を算出します。
- 課税所得に税率10%を掛けて「所得割」額を計算します。
- 所得割額に「均等割」額(基本5,000円)を足して、年間の住民税額が確定します。
3.2.住民税で利用できる主な控除の種類
- 基礎控除
43万円
- 社会保険料控除
支払った健康保険料や年金保険料の全額
- 生命保険料控除
最大7万円
- 扶養控除
33万円(19歳以上23歳未満の特定扶養親族は45万円)
- 医療費控除
原則として年間の医療費自己負担額が10万円を超えた部分
3.3.具体例で見る住民税の計算シミュレーション
【年収120万円で、社会保険に加入しているパートの場合(社会保険料を年間約9万円と仮定)】
- 給与所得
120万円 – 給与所得控除55万円 = 65万円 - 課税所得
65万円 – (基礎控除43万円 + 社会保険料控除9万円) = 13万円 - 所得割
13万円 × 10% = 1万3,000円 - 年税額
所得割1万3,000円 + 均等割5,000円 = 1万8,000円
4.住民税の支払い方法と注意点
4.1.特別徴収と普通徴収の違い
| 徴収方法 | 内容 |
| 特別徴収 | 勤務先が毎月の給与から住民税を天引きして納付する方法です。パートでもほとんどがこの方式です。 |
| 普通徴収 | 自分で納付書や口座振替を利用して年4回に分けて納付する方法です。副業収入がある場合や退職した後は普通徴収に切り替わることがあります。 |
4.2.住民税の納付書の見方と支払い期限
普通徴収の場合、自治体から送られてくる納税通知書(納付書)を確認します。「課税所得金額」「所得割額」「均等割額」などの内訳と、年4回(通常は6月、8月、10月、翌年1月)の各納期と納付額が記載されています。
期限までにコンビニエンスストアでの支払いのほか、近年ではPayPayやLINE Payなどのスマートフォン決済アプリを利用して納付できる自治体も増えています。特に第1期の納付期限(多くの自治体で6月末)は忘れやすいので注意しましょう。
4.3.住民税を滞納するとどうなる?
納付期限を過ぎると、まず督促状が送付され、延滞金が発生します。国税庁の定める延滞税の割合に準じた利率で計算されるため、滞納期間が長引くほど負担は大きくなります。督促に応じない場合、財産調査が行われ、最終的には給与や預貯金などの財産が差し押さえられる可能性があります。支払いが困難な場合は、手遅れになる前に必ず市区町村の納税課に連絡し、分割納付などの相談をすることが重要です。
5.パートで住民税を抑える働き方とよくある疑問
5.1.住民税を賢く節税するためのポイント
- 扶養控除が活用できる範囲に収入を調整する
- iDeCo(個人型確定拠出年金)の掛金や生命保険料控除を最大限活用する
- ふるさと納税(寄附金控除)を行う
- 医療費が多くかかった年は、確定申告で医療費控除を申請する
5.2.年末調整や確定申告と住民税の関係
年末調整は勤務先が所得税を精算する手続きですが、その内容は「給与支払報告書」として各市区町村へ送付され、翌年度の住民税計算の基礎資料となります。
医療費控除やふるさと納税(ワンストップ特例制度を利用しない場合)など、年末調整で対応できない控除を追加したい場合は、自身で確定申告を行う必要があります。確定申告の内容も自動的に市区町村に連携され、住民税額に反映されます。
5.3.パートの住民税に関するよくある質問
Q. 途中で退職した場合、残りの住民税はどうなりますか?
A. 退職時期によりますが、最後の給与から一括で天引き(一括徴収)されるか、後日自宅に普通徴収の納付書が送られてきて自分で納付するかのいずれかになります。
Q. 副業収入があると扶養から外れますか?
A. パートの給与所得と副業の所得(収入から経費を引いた額)の合計が48万円を超えると、所得税の配偶者控除や扶養控除の対象から外れてしまうため注意が必要です。
Q. 今後、住民税の非課税ラインは変わりますか?
A. 政府は「年収の壁」問題への対策を進めていますが、現時点で住民税の非課税限度額そのものを引き上げる具体的な改正案は決まっていません。最新の税制改正の動向に注意が必要です。
住民税の仕組みを正しく理解すれば、パートでも働き方を主体的にコントロールできます。ご自身の地域の非課税ラインを把握し、利用できる控除制度を最大限に活用して、手取り収入を賢く増やしていきましょう。
