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リソース不足を徹底解説!原因から具体的な解決策、予防策まで

リソース不足を徹底解説!原因から具体的な解決策、予防策まで

「人手が足りない」「時間がない」――多くのビジネスパーソンが日常的に口にするこれらの悩みは、実は氷山の一角に過ぎません。

気づかぬうちに組織を蝕む「リソース不足」は、単なる人員の問題ではなく、物・資金・情報といった経営資源全体に及ぶ深刻な課題です。

この記事では、リソース不足の根本原因を多角的に分析し、即効性のある解決策から中長期的な予防策までを網羅的に解説します。読み進めることで、自社の現状を正確に把握し、持続的な成長を阻むボトルネックを解消するための具体的な道筋が見えてくるはずです。

目次

1.リソース不足とは?その定義と種類を理解する

Photo by Paolo Chiabrando on Unsplash

1.1.リソース不足の基本的な定義

企業やプロジェクトが目標を達成するために必要となる人・物・資金・情報・時間などが足りない状態を指します。一般的には人員不足が注目されがちですが、実際には複数のリソースが連鎖的に不足し、問題を顕在化させるケースが少なくありません。

1.2.企業における主なリソースの種類

  • 人的リソース

従業員のスキル、経験、労働力

  • 物的リソース

設備、機材、オフィス、原材料

  • 情報リソース

データ、ノウハウ、知的財産

  • 時間リソース

業務遂行やプロジェクトにかけられる時間

これらが複合的に不足した場合、調達コストが急騰し、経営を圧迫する可能性があります。

1.3.人的リソース不足

帝国データバンクの調査では、2025年4月時点で正社員が不足していると回答した企業は51.4%にのぼりました(jinjibu.jp)。

1.4.物的・時間的リソース不足

例えば製造業において、適切な設備投資が遅れると生産ラインが老朽化・停止し、結果として納期遅延という時間的リソースの不足を引き起こします。これは情報システムでも同様で、システムの二重投資や老朽化が、対応に追われる従業員の貴重な時間リソースを奪う一因となります。

2.なぜリソース不足は起こるのか?主な原因を深掘り

Photo by Vadym on Unsplash

2.1.計画段階での見込みの甘さや予測不足

需要予測の誤りや、楽観的すぎる売上計画が主な原因です。プロジェクトマネジメントの国際標準であるPMBOK(Project Management Body of Knowledge)でも、リソース計画はプロジェクトの成否を分ける重要なプロセスと位置づけられており、計画段階で適切なバッファ(予備)を設定できていないケースが多く見られます。

2.2.予期せぬ業務量の増加やトラブル発生

急な大型受注や、予期せぬシステム障害、主要取引先の倒産といった外部環境の変化が重なると、通常業務にしわ寄せが及び、リソース不足が一気に表面化します。

2.3.人材の流動性や採用難による人員不足

国内では少子高齢化による労働力人口の減少が進行しています。中央大学の推計では、2035年時点で約384万人分の労働力が不足するとされており(chuo-u.ac.jp)、優秀な人材の獲得競争はますます激化しています。

2.4.業務の属人化とナレッジ共有の不足

特定の担当者しか業務内容を把握していない状態は、その担当者が休職や退職をした瞬間に業務が停止するリスクを内包しています。経済産業省が発表した「DXレポート2」においても、レガシーシステムと並び、業務プロセスの属人化がDX推進を阻む大きな課題として指摘されています。

2.5.予算や資金の制約

資金繰りの悪化により、必要な機材の購入や人材の採用ができなくなり、事業機会を逃すという負のスパイラルに陥ることがあります。

3.リソース不足が引き起こす深刻な影響とリスク

Photo by Wolfgang Hasselmann on Unsplash

3.1.業務効率の低下と生産性の悪化

恒常的な残業や、WIP(Work In Progress:仕掛かり)の増大を招き、部門間の連携を滞らせるボトルネックを生み出します。

3.2.従業員の負担増、モチベーション低下、離職リスク

特定の人材にタスクが集中し、過度なストレスはバーンアウト(燃え尽き症候群)を引き起こし、エンゲージメントの低下や離職の連鎖を招きます。世界的な調査会社であるGallup社の報告によれば、従業員エンゲージメントの低い組織は、高い組織に比べて生産性が低く、離職率が高いことがデータで示されています。

3.3.品質低下や納期遅延による顧客満足度の低下

リードタイムの延長や製品・サービスの品質低下は、NPS(ネット・プロモーター・スコア)を押し下げ、SNSなどでの口コミ悪化を通じて新規顧客の獲得コストを上昇させます。

3.4.事業成長の停滞と機会損失

リソース不足を理由に、将来有望な新規事業への投資やM&Aといった成長機会を見送らざるを得なくなり、競合他社に後れを取る原因となります。

3.5.企業イメージの悪化と信頼の失墜

SNSが普及した現代では、小さな納期遅延や品質問題も瞬時に拡散し、長期にわたって築き上げてきたブランドイメージを毀損する可能性があります。

4.リソース不足を解消するための具体的な解決策

Photo by Vitaly Gariev on Unsplash

4.1.現状のリソースを正確に把握し可視化する

まずは、WBS(作業分解構成図)やスキルマップ、ガントチャートといったツールを用いて、誰が・何を・どれくらいのリソースを使って行っているのかを定量的に把握することが第一歩です。

4.2.業務効率化ツールやITシステムの導入

国内のRPA(Robotic Process Automation)導入率は中小企業で15%程度にとどまっていますが、「ロボパットDX」のようなツールの普及により、定型業務を自動化し、人的リソースをより付加価値の高い業務へシフトさせる企業が増加しています。

4.3.アウトソーシングや外部リソースの活用

矢野経済研究所によると、国内のBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)市場は2024年度に5兆円規模へ拡大すると予測されており、今後も成長が続く見込みです(yano.co.jp)。コールセンター業務や経理などのバックオフィス業務を専門企業に委託し、自社はコア業務に集中する戦略が有効です。

4.4.人材育成と採用戦略の強化

変化の激しい時代に対応するため、従業員のスキルを再開発する「リスキリング」が不可欠です。厚生労働省も「人への投資」を重要政策と位置づけ、リスキリング関連の助成金を拡充しており、国を挙げた取り組みとなっています。これと並行して、企業の魅力を発信する採用ブランディングを構築し、人材の質と量を確保することが求められます。

4.5.適切な人員配置とタスク管理の最適化

TOC(制約理論)を用いて組織全体のボトルネックとなっている工程を特定し、リソースを重点的に投下します。また、ジョブローテーションなどを活用して多能工化を進め、柔軟な人員配置を可能にすることも有効です。

4.6.ナレッジ共有と業務標準化の推進

社内Wikiやeラーニングシステムを導入し、個人の持つ「暗黙知」を組織の「形式知」へと転換することで、業務の属人化を防ぎ、標準化を推進します。

5.リソース不足を未然に防ぐための予防策と組織体制

Photo by Vitaly Gariev on Unsplash

5.1.中長期的な事業計画と人員計画の策定

3〜5年後を見据えた事業戦略と採用・育成計画を同期させ、将来の需要変動に対応できる組織体制を計画的に構築します。

5.2.リスクマネジメント体制の構築

BCP(事業継続計画)やERM(全社的リスクマネジメント)のフレームワークを活用し、リソース不足を経営上の重要リスクの一つとして特定し、定期的にモニタリング・評価する体制を整えます。

5.3.定期的な業務見直しと改善サイクルの確立

四半期ごとなど定期的にKPI(重要業績評価指標)をレビューし、PDCA(Plan-Do-Check-Action)サイクルを回すことで、非効率な業務を継続的に改善します。

5.4.柔軟な働き方や多様な人材の活用

リモートワークや副業、シニア人材の活用といった柔軟な働き方を導入することで、これまでリーチできなかった潜在的な労働力を確保できます。実際に、マッキンゼー・アンド・カンパニーの調査では、経営層の多様性が高い企業ほど財務的パフォーマンスが優れている傾向が示されており、多様な人材の活用は競争力強化に直結します。

6.まとめ:リソース不足は組織全体の課題として取り組む

Photo by Walls.io on Unsplash

リソース不足は、単なる現場の困難ではなく、事業の存続を脅かす経営リスクです。

本記事で紹介した「可視化→効率化→外部活用→人材育成→仕組み化」という多層的なアプローチを実践することで、今日の不足を解消し、明日の不足を未然に防ぐ、しなやかで強い組織を構築することができるでしょう。

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