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人事アウトソーシングを徹底解説!導入メリット・選び方からおすすめサービスまで

人事アウトソーシングを徹底解説!導入メリット・選び方からおすすめサービスまで

人手不足は深刻化し、度重なる法改正への対応に追われる毎日。本来注力すべき人材育成や組織開発まで手が回らない…。多くの方が、このような課題を抱えているのではないでしょうか。そんな人事部門の悩みを解決する一手として、今「人事アウトソーシング」が注目されています。

給与計算や採用実務といった定型業務を外部のプロフェッショナルに任せることで、社内のリソースを解放する経営戦略です。これにより、貴社の人事チームは企業の未来を創る戦略的なコア業務に集中できるようになります。

本記事では、人事アウトソーシングの基本から具体的な導入メリット、失敗しないサービスの選び方までを徹底解説し、貴社の成長を加速させるためのヒントを提供します。

目次

1.人事アウトソーシングとは?基本を理解しよう

1.1.人事アウトソーシングの定義と目的

人事アウトソーシングとは、給与計算や採用活動などの人事関連業務を外部の専門事業者に委託し、企業は戦略的人事や経営課題に集中する運営モデルを指します。

もともとはコスト削減が主目的でしたが、近年は人手不足や法改正対応のスピード向上、DX推進といった目的で導入する企業が増えています。

実際に、矢野経済研究所の調査によると、国内の人事・総務関連業務アウトソーシング市場は2023年度に11兆6,631億円へと拡大しており、その需要の高さがうかがえます(yano.co.jp)。

1.2.企業が人事アウトソーシングを導入する背景

導入背景の最も大きな要因は、多くの業界で課題となっている慢性的な人手不足です。厚生労働省が2024年3月に公表した一般職業紹介状況によると、有効求人倍率は1.28倍と高水準を維持しており、人材確保の競争が激化しています。

さらに、働き方改革関連法や社会保険関連の法改正が相次ぎ、人事担当者が常に最新の専門知識を維持し続ける負担も増大しています。これに加え、ペーパーレス化やクラウドHRシステムの導入によるDX推進を加速させる目的で、外部の専門的なノウハウを活用したいと考える企業が増えているのです。

2.人事アウトソーシングで依頼できる業務範囲

2.1.給与計算・社会保険手続き

  • 月次給与計算、賞与計算、給与明細の電子化
  • 年末調整、住民税更新
  • 健康保険、厚生年金、雇用保険の資格取得・喪失や各種給付の申請

パーソル総合研究所の調査によれば、従業員1人あたり月額1,000~2,000円が一般的な料金相場とされています(persol-group.co.jp)。

2.2.採用・研修業務

採用代行(RPO: Recruitment Process Outsourcing)では、求人票の作成から応募者対応、面接日程の調整、内定者フォローまで、採用プロセスの一部または全部を委託可能です。

例えば、アールナイン社の事例では、羽田空港サービス株式会社が採用目標を2倍に拡大する際に、母集団形成と面接業務を外部委託。結果として目標を達成し、採用ノウハウの属人化という課題も解消しました(r09.jp)。

2.3.人事評価・制度設計

人事評価制度の再構築や、それに連動する等級・報酬制度の設計支援を提供するベンダーも増えています。専門家の客観的な視点を取り入れることで、公平性と納得性の高い制度を構築できます。

実際に、神奈川トヨタ商事株式会社は外部サービスを活用して紙ベースだった評価運用をデジタル化し、管理者の評価業務にかかる工数を50%削減したと報告しています(workvision.net)。

2.4.その他労務管理業務

勤怠管理データの集計、入退社手続き、福利厚生の窓口業務、ストレスチェックの運用支援、さらには健康診断の手配や産業医との連携サポートなど、幅広い領域がアウトソーシングの対象となります。クラウド型の勤怠管理システムとアウトソーシングを組み合わせることで、バックオフィス業務の完全ペーパーレス化を実現する企業も珍しくありません。

3.人事アウトソーシングのメリット・デメリット

3.1.導入のメリット

  1. コスト削減と可視化
    専門業者への委託により、人件費や設備投資を変動費化し、コスト構造を明確にできます。
     
  2. 業務効率化とリードタイム短縮
    プロセスの標準化と専門家のノウハウにより、業務のスピードと正確性が向上します。
     
  3. 最新法改正・制度改定への迅速対応
    専門家が法改正情報を常にキャッチアップしているため、コンプライアンスを遵守した運用が可能です。
     
  4. コア業務へのリソースシフト
    定型業務から解放され、人事戦略や組織開発といった付加価値の高い業務にリソースを集中できます。
     
  5. 業務属人化の解消と事業継続性確保
    担当者の退職や異動に左右されない安定した業務基盤を構築できます。
     

こうしたメリットを背景に市場は拡大を続けており、矢野経済研究所は2024年度も市場が5.2%成長すると予測しています(yano.co.jp)。

3.2.導入のデメリットと注意点

  • 社内にノウハウが蓄積しにくい

業務を完全に外部委託すると、社内に実務知識を持つ人材が育ちにくくなる可能性があります。

  • 情報漏えいリスクとセキュリティ義務

従業員の個人情報という機密情報を外部に預けるため、委託先のセキュリティ体制は厳格に評価する必要があります。

  • サービス品質のばらつき

ベンダーによって専門性や対応品質が異なるため、選定を誤ると期待した効果が得られないことがあります。

  • コミュニケーションコストや文化差

社内とは異なる業務プロセスやコミュニケーションルールに適応するための時間や労力が必要です。

特にセキュリティに関しては、委託先がISO27001(ISMS)認証やプライバシーマークを取得しているか、通信やデータの暗号化は徹底されているかなどを契約前に必ず確認しましょう。

4.人事アウトソーシングの費用・料金相場

4.1.費用体系の種類と内訳

  • 月額固定制

従業員数に応じて段階的に設定された定額料金で、毎月のコストが安定します。

  • 従量課金制

処理する従業員数や業務量に応じて料金が変動するため、事業規模の変動に柔軟に対応できます。

  • 初期設定費用

導入時に、既存データからの移行やシステム連携、業務プロセスの整備などにかかる一度限りの費用です。

4.2.業務内容別の料金相場

業務領域主な料金相場補足
給与計算1,000〜2,000円/人(月)人数が多いほど単価減
社会保険手続き500〜1,500円/件資格取得・喪失など
採用代行25〜40万円/月母集団形成から面接設定まで
研修企画30〜100万円/プログラムeラーニングは別途課金

※料金はあくまで目安です。出典:パーソル総合研究所、ビジネスコンシェルジュ等の情報を基に作成(persol-group.co.jp)

5.失敗しない人事アウトソーシングサービスの選び方・比較ポイント

5.1.対応可能な業務範囲と専門性

まず、自社が委託したい業務範囲と、ベンダーが強みとする専門領域が一致しているかを確認することが重要です。例えば、グローバルに事業展開している企業であれば、多言語対応の給与明細発行や海外の社会保険制度に関する知見を持つベンダーが必須となります。

5.2.セキュリティ体制と情報管理

従業員の個人情報を取り扱うため、セキュリティ体制の確認は最重要項目です。ISMS(ISO27001)認証やSOC2監査報告書の有無、データのバックアップ体制(国内の複数拠点での地理的冗長化など)を具体的にチェックしましょう。また、個人情報保護法に準拠し、再委託先の管理体制や情報漏えい発生時の報告義務などを定めた契約条項を盛り込むことも不可欠です。

5.3.導入実績とサポート体制

自社と同じ業界や企業規模での導入実績が豊富かどうかは、信頼性を測る重要な指標です。実績が多ければ、業界特有の課題や商習慣への理解も期待できます。

また、契約後も専任の担当者やコンサルタントが継続的にサポートしてくれるのか、具体的な支援体制についてヒアリングしましょう。もし自社に最適なサービスがわからない場合は、株式会社ワカルクのように、公式サイトから直接問い合わせや資料請求ができる企業に相談し、具体的な提案を受けてみるのも有効な手段です。

5.4.コミュニケーションの取りやすさ

日常的な業務連携をスムーズに行うため、コミュニケーション手段の確認も欠かせません。チャットツール(Slack, Microsoft Teamsなど)、オンライン会議システム、専用ポータルサイトなど、自社が普段利用しているツールと連携できるか、あるいはベンダーが提供するツールが使いやすいかを事前にすり合わせておくと、導入後の運用が円滑になります。

5.5.クラウド・システム連携の有無

既存の勤怠管理システム、会計システム、ERP(統合基幹業務システム)とAPI連携が可能かどうかは、DX推進の観点から非常に重要です。システム連携ができれば、データの二重入力を防ぎ、手作業によるミスを削減できるため、業務効率が飛躍的に高まります。

6.人事アウトソーシングの活用事例

6.1.業務効率化とコスト削減を実現した事例

ある中堅の精密機器メーカー(従業員300名)では、毎月の給与計算と煩雑な年末調整業務を外部委託しました。その結果、人事担当者の残業時間を月平均で40時間削減し、人件費換算で年間約500万円のコスト削減を達成。固定費だった人件費を変動費化できたことで、繁忙期でも業務の遅延なく対応できる体制を構築できました。

6.2.専門知識を活用し、人事課題を解決した事例

神奈川トヨタ商事株式会社は、紙ベースで行っていた人事評価シートの運用をデジタル化するサービスを導入。これにより、管理職の評価業務にかかる工数を50%削減すると同時に、評価プロセスの透明性を高め、従業員の納得感向上にも繋がりました(workvision.net)。

6.3.採用力強化や組織活性化に繋がった事例

羽田空港サービス株式会社は、採用代行(RPO)を活用することで、採用目標を従来の2倍である100名へと引き上げました。母集団形成から面接調整までを委託することで、社内の採用担当者の負担を増やすことなく目標を達成。さらに、入社後のオンボーディング研修もベンダーと共同で設計した結果、新入社員の定着率向上という成果も上げています(r09.jp)。

7.おすすめの人事アウトソーシングサービスを比較紹介

7.1.総合型サービス(幅広い業務に対応)

  1. パソナHRソリューション
  2. リクルートマネジメントソリューションズ
  3. BIPROGY BPO
  4. パナソニックHRパートナーズ

7.2.特定業務特化型サービス(給与計算・社会保険など)

  • Works Human Intelligence
  • クラウド給与計算「freee人事労務」
  • 社会保険労務士法人エムケイシー

7.3.中小企業向けサービス

  • オフィスステーション
  • ジンジャー人事労務
  • 人事Lite(アールナイン)

7.4.大企業・複雑なニーズに対応するサービス

  • ADP Streamline
  • IBM HR Transformation BPO
  • デロイト トーマツ HR BPO

8.人事アウトソーシングに関するよくある質問

8.1.導入までの期間はどれくらいかかりますか?

業務範囲や企業の規模によりますが、一般的には契約締結から1〜3か月が目安です。特に給与計算を委託する場合、給与の締め日と支払日から逆算し、移行テストとして最低でも1〜2か月は既存の運用と並行稼働させる期間を設けると、スムーズな移行が可能です。

8.2.担当者の変更は可能ですか?

多くのベンダーで担当者の変更は可能です。ただし、相性だけでなく業務品質に問題がある場合は、具体的な改善点を指摘する必要があります。契約時にSLA(サービス品質保証)の中で、担当者交代時のナレッジトランスファー(知識移転)の手順を明記しておくと、万が一の際にも安心です。

8.3.情報漏洩が心配です。対策はありますか?

信頼できるベンダーは、情報セキュリティ対策に万全を期しています。具体的には、ISO27001(ISMS)やSOC2といった第三者認証の取得、通信の暗号化、従業員PCのMDM(モバイルデバイス管理)による制御、オフィスへの厳格な入退室管理などが標準的な対策です。契約前には、これらの対策状況を示す第三者監査報告書の提示を求め、内容を確認しましょう。

9.まとめ 人事アウトソーシングで企業の成長を加速させよう

人事アウトソーシングは、人手不足が常態化し、ビジネス環境の変化が激しい現代において、企業の競争力を高めるための極めて有効な選択肢です。導入によるコストやリスクを正しく評価し、自社の課題解決に最適なパートナーを選定できれば、人事部門は定型業務から解放され、真に価値のある戦略的人事業務へとシフトできます。これにより、組織全体の生産性向上と持続的な成長を同時に実現できるでしょう。

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