契約書の外注を徹底解説!費用相場から依頼先、注意点まで

ビジネスの成長に不可欠な契約書。しかし、その作成には法的な専門知識が求められ、たった一つの条文の不備が将来の大きな紛争リスクに繋がりかねません。
頻繁な法改正への対応に追われ、本来の業務が圧迫されていませんか?
この記事では、契約書作成を専門家へ外注するという、確実かつ効率的な解決策を提案します。法務リスクを最小限に抑え、担当者をコア業務に集中させることで、事業を安全に加速させることが可能になります。費用相場から最適な依頼先の選び方、失敗しないための注意点まで、契約書外注の全てを網羅的に解説します。
目次
1.契約書を外注するメリット・デメリット

1.1.専門家に依頼するメリット
企業法務の専門知識が豊富な弁護士や行政書士に契約書作成を任せることで、条文の抜けや不備を防ぎ、取引リスクを最小化できます。特に弁護士が作成した契約書は、訴訟に発展した際の証拠能力も高く評価されるため、紛争を未然に防ぐ強力な盾となります。
これにより、担当者は複雑な法務調査から解放され、本来のコア業務に専念できるのです。事実、公正取引委員会が運用を強化している下請法など、法改正への対応は企業にとって喫緊の課題です。Sansanの実態調査では、改正下請法への対応で約9割の企業が契約書を見直しており (jp.corp-sansan.com)、専門家サポートの需要は年々高まっています。
1.2.外注のデメリットと注意点
当然ながら外注費用が発生します。弁護士の作成費用は、定型的な契約書でも5万5千円以上、カスタマイズが必要な非定型契約書では22万〜33万円が目安とされています (derta.jp)。
加えて、自社の事業内容や取引の意図を正確に共有できなければ、ドラフト完成後に大幅な修正が生じる恐れがあります。また、事業の根幹に関わる機密情報を外部に渡す際は、経済産業省の「秘密情報の保護ハンドブック」でも推奨されているように、まず秘密保持契約(NDA)を締結し、共有する情報の範囲と取り扱い方法を明確に定めておくことが不可欠です。
2.契約書の外注先はどこが良い?種類と選び方

2.1.弁護士に依頼するメリットとデメリット
弁護士は、弁護士法に基づき、法的トラブルの代理交渉や訴訟対応まで一気通貫で行える唯一の専門家です。そのため、将来的な紛争を想定したリスクヘッジ条項の設計に長けています。
前述の料金相場の通り費用は高めですが、裁判所への提出を前提とした厳格なリーガルチェックや、相手方との交渉まで見据える場合は、最も信頼できる選択肢となるでしょう。
2.2.行政書士に依頼するメリットとデメリット
行政書士は、行政書士法で定められた「権利義務又は事実証明に関する書類」作成の専門家であり、契約書作成の実務経験が豊富です。標準的な業務委託契約書や秘密保持契約書(NDA)であれば、2万円台からと比較的リーズナブルに依頼できるケースもあります (a-kawamura.com)。
ただし、弁護士と異なり紛争時の代理権はないため、交渉や訴訟に発展するリスクが高い複雑な案件では、最終的に弁護士への依頼が必要になる可能性がある点を理解しておく必要があります。
2.3.契約書作成サービスやクラウドソーシングの活用
近年では、クラウドワークスなどのプラットフォームを活用し、フリーランスの専門家に低コストで依頼する方法も選択肢の一つです。簡単な秘密保持契約書などであれば、A4一枚あたり1,000円〜2,000円で依頼できる事例も見られます (crowdworks.jp)。
また、AI契約書レビューサービス「LeCHECK」のようなツールは月額4万円から利用でき、条項の抜け漏れチェックといった定型業務を自動化できます (utilly.ne.jp)。ただし、クラウドソーシングはワーカーの法的知識や経験にばらつきがあり、AIツールも万能ではないため、最終的な判断と責任は発注者自身が負うという点を忘れてはなりません。
2.4.外注先を選ぶ際のポイント
- 過去の実績と専門分野の適合性
- 料金体系の透明性と追加費用の有無
- 担当者とのコミュニケーション速度
- 秘密保持体制と情報セキュリティ水準
これらを総合評価したうえで複数見積もりを比較するとミスマッチを避けられます。
3.契約書外注にかかる費用相場と料金を抑えるコツ

3.1.契約書の種類別 外注費用相場
| 契約書の種類 | 弁護士 | 行政書士 | クラウドソーシング |
|---|---|---|---|
| 売買契約 | 十一万〜三十三万円 | 三万〜五万円 | 一万〜三万円 |
| 業務委託契約 | 十一万〜三十三万円 | 二万〜五万円 | 五千〜二万円 |
| 秘密保持契約 | 十一万円前後 | 二万〜三万円 | 五千〜一万円32. |
| 料金は案件の複雑性や緊急度で変動します。弁護士費用の具体例として、契約書作成は定型で11万円、難易度が高い場合は22〜33万円との報酬基準が公表されています (derta.jp)。 |
3.2.費用を左右する要因
- 条文の複雑度とページ数
- 納期の短さ
- 英文や多言語対応の有無
- 専門家の経験年数や知名度
- レビューや再修正回数
これらが増えるほど見積額は上がりやすくなります。
3.3.契約書外注の費用を抑えるためのポイント
- 依頼前に契約目的やビジネススキームを整理し、不要な条項を削減する。
- 行政書士と弁護士の併用やAIレビューで初期ドラフトを作り、最終チェックのみ弁護士に任せるハイブリッド方式を検討する。
- 同種案件が多い場合はテンプレートを作成して転用し、改訂部分のみ外注する。
- 複数事務所から相見積もりを取得し、費用とサービス範囲を比較する。
4.契約書外注の流れと依頼時の注意点

4.1.契約書外注の具体的な流れ
相談、見積もり、正式発注、ドラフト提示、レビュー、修正、納品、支払いという手順で進むのが一般的です。
4.2.依頼前に準備すべきこと
契約の目的、当事者情報、取引の具体的な流れ(スキーム)、関連する背景資料などを事前に整理しておくと、専門家との打ち合わせが円滑に進み、修正回数も減らせます。
4.3.見積もり・相談のポイント
料金だけでなく、修正回数の上限、納期、成果物の形式(Word、PDFなど)を必ず確認しましょう。特に、どのような場合に修正費用などの追加料金が発生するのかを事前に洗い出しておくと安心です。
4.4.契約締結・情報共有の重要性
外注先との間で業務委託契約および秘密保持契約を締結し、情報共有の方法と範囲を合意しておくことで、情報漏えいリスクを抑制できます。
4.5.作成・レビュー・修正のプロセス
ドラフトが提示されたら、条項ごとに自社の意図と合っているかを確認し、認識のズレがあれば早期に修正依頼を出します。修正依頼は、メール本文などに箇条書きで分かりやすく整理すると効率的です。
4.6.納品・支払いとアフターフォロー
最終的な納品物は、自社で編集可能なWordデータ形式で受け取るのが望ましいでしょう。支払い条件は、納品月の末日締め・翌月末払いなど、自社の経理フローに合わせて事前に合意しておきます。また、将来の法改正時に追加で相談が可能かどうかも確認しておくと安心です。
5.どんな契約書を外注すべき?判断基準を解説

5.1.外注が推奨される契約書の種類とケース
- M&Aにおける株式譲渡契約や、数億円規模の不動産売買契約など、取引金額が大きく経営に与える影響が大きいもの
- アジャイル開発で仕様変更が頻繁に起こるシステム開発委託契約や、個人情報を含むAIの学習データ利用許諾契約など、技術的・専門的な内容を含む複雑な案件
- 準拠法や裁判管轄が問題となる海外企業との英文契約
- 公正取引委員会が運用を強化している下請法や、2024年から施行されたフリーランス保護新法の対象となる取引
これらは法改正への迅速な対応や、業界特有の商慣習への理解が求められるため、専門家の知見が不可欠です。
5.2.自分で作成できる契約書と判断基準
定型的な物品売買契約や簡単な業務委託契約で、取引金額が小さく、事業への影響も限定的な場合は、市販のテンプレートやAIレビューサービスを活用して自社で作成し、最終確認のみ専門家に依頼するという方法も考えられます。
5.3.契約書作成を外注するメリットとデメリットのまとめ
契約書の外注は、品質向上とリスク低減の観点で大きなメリットがありますが、費用と情報共有の手間というコストも無視できません。自社の法務リソース、取引の規模、許容できるリスクの大きさを総合的に踏まえたうえで、弁護士、行政書士、AIサービスなどを最適に組み合わせることが賢明な判断と言えるでしょう。


